「あ!サンタさん!」
女の子が目をさましてしまいました。
「わぁ!かわいいくまちゃん!」
おじいさんはきがきではありません。
夜が明ける前に帰らなければならないのです。
食いしん坊の子熊はお菓子に夢中です。
「お菓子が好きなのね。」
おじいさんは困りましたが
どうしてよいのかわかりません。
女の子は子熊のことがすっかり気に入って
しまったようでした。
「ごめんね。もう帰らなきゃならないんだよ」
「この子も?もっと一緒にいたいわ。
サンタさん!この子をプレゼントして!」
「いかん。いかん。帰らねば!」
おじいさんが答えると
女の子は泣き出してしまいました。
「よわったなぁ。なあお嬢さん。
この子にはこの子をとっても可愛いと思っている
ママがいるんだよ。
君もママと一緒にいたいだろ?」