母熊の目の前にはいつの間にか

2頭のトナカイがソリを引いて立っていました。

ソリからおじいさんが降りてきて

母熊に 話しかけました。

 

「いったいどうして

 こんな時期に外にでてきてしまったのだい?

この子はこのままでは死んでしまう。

どうだい。わしがしばらくこの子をあずかろう。

この子が元気になったら

またおまえさんにかえしてあげるよ。」

 

母熊は素直に大きな体をよけて

おじいさんに子熊を抱き上げさせましたが、

その顔はとても不安そうでした。

 

 

「大丈夫。きっと元気になるよ」