私と兄は小さい頃二段ベッドを使っていました。兄の方は途中で大人用のシングルベッドを買ってもらったので、いらなくなった方の二段ベッドは分解されて、家の裏に立て掛けられていました。
ある日、犬小屋の玄関側の壁に小さな穴が開いてるのが発見されました。 屋外にいるランは、一日中相手をしてもらえるワケではありません。たいていの時間はひとりぼっちで犬小屋の中でじっとしています。退屈によるストレスで、土に穴を掘るように、壁をかじるなり引っ掻くなりしたのだろうと思いました。 穴は日に日に大きくなっていきました。 ある日、外に出てみると、大きくなった穴からひょっこり顔を出したランと目が合いました。頭が引っ込むといつものように彼女が犬小屋から出てきました。 ランは自分の家に窓を作ったのです。窓が必要だと思って作ったのかどうか知りませんが、ランにとってとても有効な結果が出たことは間違いありませんでした。 それが窓だということが判明すると、父はでこぼこだった穴を四角く切り抜きました。私はその周りに絵を描きました。 |