私がランをつれてきた日、近所のお葬式の最中でした。
近所でたて続けに不幸があって、お葬式の食べ物の準備に
ウチの台所が使われました。

学校から帰ると、近所のおばさんたちがあわただしく働いていました。
バタバタしている中、母に犬のことを話すと、母はまたかと二言三言
文句をいっただけで、いつものように、くどく怒られはしませんでした。
お葬式の慌ただしさ、2月の寒さ、人の不幸、
それらのことが影響したのかしないのか、
両親は野良犬を拒絶するタイミングを逃してしまったようでした。

a初めて餌の許可が下りた夜。
その子が家で最初に食べたご飯は、お葬式で余った野菜のぷらでした。
いつから食べていなかったのか、
こくんこくんと噛みもせずたちまち飲み込んでしまいます。
暗闇の中、目を輝かせて次の天ぷらを待つ新しい家族に、
胸焼けしないかな〜と心配しながら大皿の天ぷらをひとつずあげました。

あのときは私もめちゃくちゃウキウキしてたな〜。

生後3〜4ヶ月くらい
かろうじて子犬と呼べるくらいの大きさでした。

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