2月11日
新しい習慣。
今年初めて競馬に行った帰りだった。たいてい1人で観戦してくるのだが、その日は会社のお客さんたち5〜6人と観戦したのだ。一流企業の皆さんは、その日一日でほとんどの人が10万円ほどつっこんでいて最終レースで見事に挽回、皆2〜3万円の黒字収支にして、ほくほく顔だった。そんな中で、たった200円300円と賭けつづけていた私はけちな赤字に終わっていた。メインを当てたのは私だけなのに。皆のように1万円もかけられたら18万円にもなっているのだ。
ふんだ。ふんだ。と身分の格差と負けの余韻で、ひどくみじめな気持ちで乗り換えのホームを歩いていた。ふと、花屋に目が止まった、いろいろな種類の小さなブーケがひと束600円で売っている。その華やかな花束を買うことで、貧乏で、競馬に負けたみすぼらしい自分が救われるような気がして、ひとつ購入したのがきっかけだった。
1週間も部屋に飾っていると、しおれてくる花がある。寿命の長い花はまだぴんぴんしている。しおれた花を取り除いたままだと格好悪いので、減った分だけ、毎週新しい花を足していくようになった。白い薔薇がしおれたら黄色のチューリップを、それがしおれたら、今度は白いスイトピー、今週はアルストロメリアにしてみよう___
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