2003年8月

理想の農家




さて、いよいよオンタリオ州でお世話になった農家について語りましょう。
私はここで初めて大ショックを受けました。
何から何までまるで「完璧」な農家でありました。
さぁこれからここで経験したことを語りまくりますよ。準備はよろしいですか?

マニトバ州を発って、オンタリオ州、五大湖の一つエリー湖のほとりの小さな町にたどり着くのに要する時間は丸2日と9時間。五大湖(グレイトレイクス)の淵をグニュグニュ沿っていく道は大平原をまっすぐ突っ切るのとは比較にならないほど長い旅路に感じました。農家の位置する町には私が利用していた大規模なバスラインが発着していないため、近場の大きな街ロンドンで農家の方に拾ってもらいました。
私を迎えに来てくれた、農家の主人であるその人は白髪の混じったモジャモジャ巻き毛の髭にチェックのシャツ、麦わら帽子といういでたちで、今までにない「まるで絵に描いたような農夫」でありました。家までの道のりで、私のたどたどしい英語の質問に落ち着いて答えてくれます。私を拾うのにその方が運転してきた車は大学生の息子さんの車であって、なんとそのご主人と奥さんが営む農家自体は自家用車を使用していないとのことでした。それじゃぁいつも車を息子から借りるか?それとも、自転車にでも乗る?
いえいえ、彼らは馬を交通手段と農作業に利用しているのです。
どうしましょう。私の夢見た理想の生活をこれから目の当たりにしようとしていました。


スペリオル湖、ヒューロン湖の沿岸をめぐり回ってエリー湖岸に向かう