2004年10月

夢のおわり・・・


 前回はかなり情けない日記を掲載してしまった。
あんなことを書いたのはやはり自分の無関心の度合いが少し怖くなったためであった。
他人様に迷惑をかけないように生きようと努力している人間が、身の回りに無関心というのはすごく矛盾している。自分は病んでいた。
ここで前回の私の意見を撤回したいと思う。このままだと人様に迷惑をかけるのかもしれない。
もう少し「考えて」生きなければ。
と間もなく、私はそれを身を持っておもいしらされた。
前回半年間カナダへやってきたとき、私はビザを持っていなかった。
日本人はカナダにビザなしで半年まで(観光目的で)滞在することができる。だから私は今回も日本でカナダの一時滞在用ビザを取得しようとは思わなかった。
また、私が日本に戻っている数週間はそれを取得するには短すぎた。
ということで前回同様ビザを持たずにカナダに入国しようとしたところ、入国審査でひっかかってしまった。何の理由でこのようにカナダに入り浸っているのか?入国審査官に私は怪しいろくでなしのぷー太郎と判断された。
「友達に会う、友達と住みながら英語に慣れ親しんじゃおうかな」というのが私の「不十分な言い分(ちょっと嘘)」だった、事実はその友達の家で私はヘルパー(要介護の老齢の女性の簡単なお世話)兼便利屋さん(一日中でも馬糞拾いをやったり、雨漏りしている屋根の簡単な修理をしたり、死ぬほど臭い廃棄物を投棄用に分別したり、雑用は何でも引き受ける)のようなことをしていて、その友達家族は私のことを必要としている。だから私は彼らから少なからず謝礼をいただいている。
就労ビザのない私がそういった形でこちらに滞在していることは違法である。だから具体的な説明はできず、できるだけシンプルな答え方をしたのだが、それが審査官の私にたいする疑惑を強めてしまった。
先を見ずに、こんな結果を招いてしまった。
そら見ろ、こんな呑気もので、自分の日本での立場どころか、現在の自分自信のことですらもおろそかにしていた結果がこれだ。無責任、非常識の結果がこれだ。自分がすごく情けなくなった。たかが審査官に「非常識」の判を押されたぐらいで、かなり打ちのめされてしまった。いや、実は乗り継ぎの米国でも似たような気持ちにさせられる破目に会っていた。疑られることのなんと不愉快、心もとないことか。
私はカナダにいる間、一生懸命に働いて尽くしてきた、そんな疑惑を持たれるような筋合いはない。いくら私が誠実に働いたとしても、それが違法で、公的でなければ不誠実とみなされてしまうなんて空しい。私は「誠実人間」の判を取り戻すために、日本に帰りたくなった。日本で職につきたくて仕方がなくなった。
と、こんな具合で、私に今回許されたカナダでの滞在期間はたった一ヶ月間だ。こちらの家族はなんとしてでも、せめて少しでも延長できないか、入国管理局に働きかけるつもりだ。結果はどうでるかわからないけど、もし半年延長できたとしても、もうその半年でけじめをつけることにした。農家で働く夢は捨てたくないけど、疲れた。日本で払うべきものを支払い、選挙にも行かなければ。貯金もしなければ。

と、その後滞在の延長申請を行うことに、
延長申請を行って後、移民局から返答をもらうまでは、入国時に与えられた期間を超えて滞在しても違法滞在にはならないとのこと。少なくともあと2ヶ月はこちらにいられる模様。