2003年7月

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月1日
サスカチュワン州へ

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フーラは数日病院に入院することになりました。
ジュディの話によると、その動物病院はすばらしく大きく、最新設備が整い、子馬とともに健康な母馬もセットで受け入れるだけの容量はもちろんのこと、次から次へと牛や馬や他の動物が連れてこられるとのこと。
フーラの入院した翌日は私がジュディの家を発ち隣の州の新しい農家へ向かう出発日でした。ジュディとお姉さん、お母さんの3人にバス停まで送ってもらい、午後8時出発のバスに乗りました。6月、山のない平坦なこの地域は太陽がなかなか沈みません。午後9時ごろから黄昏色の光が長い影を作り、太陽が地平線に姿を消すのは午後10時過ぎです。ハイウェイを走るバスの窓から眺めた夕日。このカナダの旅でこんな日没を何度眺めながら、新しい場所で出会うであろう人々を想像してみたり、不安やもっと先の未来への期待をふくらませていました。アルバータ州からサスカチュワン州へ行くためにアルバータ州の州都エドモントンまで北上しそこから西へ大平原地帯と呼ばれる非常に平坦な地域を丸一日走って、サスカチュワン州の中ほどにある小さな街でバスを降りました。その日中にローカルバスに乗って、次の農家のあるこれまたもっと小さな町まで行って農家の人に拾ってもらう予定でした。
この大平原地帯にはグレインエレベーターという木造の穀物貯蔵庫が各町に見られます。
かつて山も丘も森もない見通しのよいこの地域を旅する人たちは大平原にグレインエレベーターがひょっこり現れるのを見つけて、次の街が近づいたことを知ったそうです。そういうわけで、グレインエレベーターの壁には街の名前がペンキで書かれています。