2003年5月

子馬が生まれたよ。

 

スイスの家族のファームを去る前日の朝です。昨日から一頭の牝馬の脚にお乳がしたたりはじめ、奥さんはこれは子馬がうまれる直前のサインだと教えてくれました。翌朝ちょっと早めに起きてその牝馬を見に行こうと思いました。玄関をそーっと開けてみるとチーフという男の子の犬が仰向けになって大股開きでいびきをかいています。静かに入口を開けた私には気付く様子もないので、『チーフ』と呼ぶとたまげて急いで体勢をたてなおしました。いかにも男の子です。チーフを引き連れて繁殖牝馬のフィールドにいってみると。


私についてきたものの、まだ眠いチーフ。

『あ!いた!  うわぁー。ほっそ〜』
立ち上がったばかりといったかんじの子馬はまるで骨と皮。まだ濡れていて、恐ろしいほど長い脚をフラフラさせて立つ姿はグロテスクでもあります。『かわい〜』とはお世辞にも言えません。
それにしてもあんな束ねた槍のようなのを母馬はどうやってお腹の中にいれてるのか、また、絞り出すのか、生命の神秘だな〜と思いました。最初のうんちを確認するのが子馬の状態に問題有りか無しかを判断する要素だそうで、最初のウンコがポロりと出て来た所が2度目のおめでとうです。赤ちゃんのウンコはちーっちゃくて、ドングリが二粒ぐらい。こんなちっちゃいのをムリっと成し遂げたということだけでも可愛く思えてしまうんです。