2003年3月

レースみたいな夜空

 

3月頃からカナダでの農家滞在を始めましたので、まずそのあたりから。
2月末に訪れた最初の農家は2人の小さな子がいる若い夫婦が野菜を育てている農家でした。その家に着いたのは夜暗くなってから、寒さの中で見上げた夜空はとても星がきれいでした。
旅行に出ている夫婦のお母さんの小さな家を寝床として提供していただいたのですが、使用していなかった部屋は凍える寒さでした。薪を使った暖炉なんて使ったことがありませんから、最初は火をつけるのにも時間がかかりました。薪ストーブは温まりはじまると、本当にあったかくて、のぼせるように熱くなり過ぎることもなく、なんともいいものです。屋外に漂う薪の燃える香りもいいもんですね。
ある夜、フクロウの声を聞きました。フクロウは日本にもいますが、私がフクロウの声を聞いたのはそのときが初めてで、ちょっと興奮して外にでてみると、月がとても明るい夜でした。木々の枝が月明かりに白く浮き立って見えます。空はたくさんの浮き雲が空をまだらに覆っていて(雲のあるとことないところがはっきりしている)、それらの雲が月明かりに照らし出されていました。バーバラ・クーニーという絵本作家の絵本に「空がレースにみえるとき』(タイトル不確実)という本がありましたが、まさにこんな空のことなのではないかと感じました。それが私がカナダでみたドキドキするような美しい夜のひとつでした。


最初の農家のメイン産物はカボチャ(向こうでは"squash"と呼びます) 。