2004年2月

運命の『びびび』。

 

さて、今だ『運命の人』と出会えぬがため、独身人生を続けている私でありますが。
既婚の皆様、そして今パートナーとしあわせ一杯の毎日を送っている皆様、運命の相手と巡り会ったとき何か『びびび』ってかんじました?私の母いわく(決して満たされた夫婦生活を送って来たわけではない)『結婚する相手と出会う時なにかしら特別に感じることがある。たとえば、まったく違和感がなく、この人と結婚するのかもと自然に思う。』とのこと。それは運命の稲妻のような衝撃的なものではありませんが、私はその自然な風のような『びびび』を信じようと思っていました。
そしてやはり感じたのです。『びびび』をある違った場面で。
日本に帰ってきてから、カナダで接して来た賢いワン子たちの影響で、なにげな〜く犬をチェックしていた私でありました。子犬無料譲渡の場所に行ってみたり、今度買うのであれば、年をとっていく両親にも扱い易い犬種をと、犬舎に子犬を見にはるか遠くまで行ったこともありました。母は行く度ごとに私よりも乗り気で、すぐ『飼っちゃおう』と言い出します。しかし、言い出しっぺの私は『びびび』を感じなければ、それは『縁』がないと思ってあきらめていました。
正月あけのある日、暇つぶしに近所のホームセンターにいったときのことです。ショーケースに入った子犬達を順に見て行くと最後にショーケースに3万8000円という見切り価格をつけられた黒い生き物がおりました。ミニチュアダックスやチワワの子が他のケースで忙しく遊んだり、仕切りの窓に鼻をくっつけて可愛らしさを振りまいているのに対して、ぐったりと寝そべったままの子犬の視線は外界とのコミニケーションを一切試みようとせず、子犬の表情に諦めだけが読み取れました。そんな反応の薄いそっけない子犬の素振りにも関わらず私は思ったのです。『この子。家に来るような気がする』と。これぞ『運命のびびび』と、その犬を家族同意のもと連れ帰ってしまいました。
その犬は家族が断固反対していた『大型犬』でありました。前足のデカさは末恐ろしさを感じさせます。
母はポメラニアンが欲しかったのに…。


さっそく名前を決めなければなりません。いい子に真面目に育ってほしかったので、『マジオ』という名を提案した所、父がそんな阿呆みたいな名は呼べないというので、アーニーという小洒落た我が家に似つかわしくない名をつけることになりました。
クロにすりゃよかったな…と、ブチ猫に『ブチ』とつけた両親がアーニーというカタカナをなかなか発音すらできないとわかって後悔しました。最初のしつけは、犬ではなく、両親に『アーニー』という名前を呼ばせるところからはじまりました。『あに〜』かい?『あーに』かい? ちがうよ『あーにー』!!!
とりあえず、今は両親とも問題なくこの名が呼べるようになりました。
よし。お父さん、お母さん、『グッド』だ! 目指せトレーナー!な私でした。
※犬の訓練の基本とされる英語はわが家では用いていません(てれくさいですね)。