2003年8月

楽しかった不動産ツアー

 

とても気さくな夫婦でした。そして、今まで自分が経験したことがないほど私は彼らとの会話を楽しんだのでした。今まで、既にたくさんのお家を訪ねて、何週間も、一ヶ月近く、何人もの人と生活をともにしてきました。しかし、どこへいっても、会話の思うようにならない私は、相手にとってとても存在感のない人物だったような気がしてなりませんでした。いてもいなくても同じ。それが、今回は私は夫婦の会話を聞いていることが楽しくて、そこへうなずきや合いの手を入れられる自分がなんだか信じられませんでした。彼らが接客のプロなのか、それともたまたま私が彼らの型にすんなりはまったのか、まるで、絵に描いたホームステイライフのようだった2日間でした。

彼らの家に泊めてもらった翌日は、夫婦の不動産物件チェックツアーに同行させてもらいました。
夫婦は毎夏遊びにやってくる子供や孫たちを招く別荘を探していました。ルーネンバーグから数十キロ離れたエリアまで、目ぼしいと思われる物件を次々と車で回りました。そのどこもが、私が今まで見たことのないような、ワクワクするような土地ばかりだったのです。

湾を渡るのは橋の代わりのケーブルフェリー、30分おきくらいに岸を往復してくれます。
旗はノバスコシアの州旗。この日は土曜日だったのですが、ノバスコシア州は今でも週末は基本的にお店は休むことになっているそうです。

物件その1 美しい漁村の小さな家
ルーネンバーグからほんの数キロのところにある、ブルーロックスという小さな漁村の一物件。
残念ながら、今は漁師の村というより、ほとんどが別荘村。とはいうものの、家の管理者はきちんと家や庭を手入れして、とても美しい家並。その中の一件だったけど、ちょっと値段がお高め。
村から離れていくとき、輝く海の光に影のように浮かび上がる岸辺の家々が例えようもなく美しかった。数ヵ月後、印象深かったこの場所を尋ねてみたけど、初めて観た風景はそこにはありませんでした。あれは一時的に午前中の太陽の光が作り出した風景だったようです。光の演出がなくてももちろん美しい場所であることに変わりませんが。



物件その2 小さな小島。
本島から、ほんの数十メートル。家無し、島までの交通手段は持ち主が考える。
夫婦は、そこへ遊びに来た孫たちのことを想像してワクワクしていました。
私だって自分が子供だったら、こりゃ凄い遊び場だって思います。冒険小説みたいな世界です。
とはいうものの、島までの橋の建築、家の建築、現実的にはちょっと難しい物件だったようです。

物件その3 浜辺の家
以前の日記にも書きましたが、今まで見たこともないほど、静かで穏やかな海と、その岸辺に立つ可愛いらしい家。
八月の鯨という映画を彷彿とさせる場所でした。
こんな浜辺が家の前にあったら・・・私に初めて、楽園という場所を感じさせてくれた場所でした。