2003年8月

ノバスコシア到着

 

カナダに来て初めて乗る飛行機、単独行動慣れてきたつもりでいましたが、やはり緊張しました。相変わらず、飛行機のアナウンスはちんぷんかんぷんです。空港からハリファックス市内へはシャトルバスに揺られること50分ほどだったと思います。ハリファックスの市内に入ってからはヒョコヒョコ座席から立ちあがっては周りの景色を確認して、降りる場所を間違ってはならないと神経を張り詰めていました。
前の座席でそんな風に立ち上がってはキョロキョロしているのは私だけ、恥ずかしいのは承知ですが、激重いスーツケースを連れて余計な距離を歩くなんて、なんとしてでも避けたかったのです。


緑のラインは今までの経路、青い点は働いた農家

 

ハリファックスは赤毛のアンの作者モンゴメリが学生時代を過ごした場所として有名です。彼女の下宿あとを探してみましたが、見つかりませんでした。
ホステルに一泊した翌日、次の働き場所であるノバスコシア半島の南端へ向うバスに乗りました。途中ルーネンバーグという観光名所で下車して一泊することにしました。
ルーネンバーグは世界遺産にも指定された美しい小さな港町です。有名な観光地ともなれば宿くらいいくらでもあるだろうとたかをくくっていました。また、たとえ宿がなくとも、暖かいこの時期であれば、公園でも見つけて野宿してもかまわないと思っていたのです。
あたりをしばらく散策して、どこの宿も一杯であることがわかってきた頃には、もうすっかり暗くなってしまっていました。
さていよいよ野宿する公園でも探そうと、町の案内地図の前で立ち止まりました。
案内板上の現在地までまだ見つけていないうちに背後で声がしました。

「どうしたの?あなた、道に迷ってしまったの?」
振り向くと、夕涼みの散歩中といったかんじの中年の夫婦が立っていました。