2005年1月

クロスカントリースキーと若い衆

 

さて、世話になっていたカナダのお宅で初めてクロスカントリースキーを経験をしました。普通のスキーの経験もほとんど無い私は、板を履いて雪の上に立つだけでも、そのスルスルすべっこい感触に手に汗握ってしまいました。

数十メートルの、ほどほどに踏み固められた雪の上で何度か往復して練習。(滑るというより、歩くといったかんじの超ロースピード)
ちょっと慣れたところで、おっかなびっくりですが牧場の敷地を滑って(歩いて)みることにしました。
ケトルガード(馬や牛が超えられないように、鉄棒を粗くかけた橋のようなもの)を渡って、いざ。いざ。
そうそう、ガキどもに見つからないうちに、ささっっと回って、ささっと戻ろう。



「ガキども」とは3歳未満の若駒たちのことで、やつらときたら好奇心の塊で、目新しいものがあるとすぐ寄ってきます。
糞なんか拾っていてもすぐ寄ってきて、馬糞を積んだ一輪車をクンクン、モゴモゴ、ついにはグァシャーンッ!
せっかく綺麗にした所に馬糞をひっくり返してくれるのでした。

ペンキを塗っていれば、またまた嗅ぎつけてきて、クンクンモゴモゴ。
ふと気づくと、使っていた梯子に頭を突っ込み、梯子を担いでパニくって走り回る始末。
あのときは大事な馬に怪我でもさせたら飼い主に殺されるのではないかと血の気が引きました。
なんとか一件落着しましたが・・・

トラックを乗り入れれば、トラックにぺったりへばりついてバンパーをかじってみたり、荷台のコネクターを蹄でガシガシ蹴ってみたり・・・
母馬たちは、そんなものには全然興味を示さず、ただただ草を食み続けるのみです。
ガキどもはこぞって、好奇心の赴くままに何にでもちょっかいを出してきます。
どんな生き物も同じなんですね・・・・。ガキはウザイ!(そこが可愛くてたまらんのですが・・・)


とにかくこんな緊迫している状態(初クロスカントリー)のときにそんな奴らに見つかったらたいへんなことになってしまいます。
真っ青に晴れた空のもと、とりあえず前に進むことに夢中の私、すると、林の中から若駒くんが現れました。
「はっっっ!!!」
馬達は反対側の放牧地にいると思い込んでいた私は大ショック。
奴らは林の中にいたのです!!
雪ばっかりの景色に退屈している彼らにとって最高の標的を発見。
群れる彼らはこぞってこちらへやってきます。
「やばっ!やばっ!」
ワラワラと6頭もくっついてきてます。
「わーーん!!あっちいけ〜!!!」
怖さのあまり止まってしまった私。


既に板を踏まれてました・・・



そーっと。そーっと、スキーを脱ごうしながら・・・
バふっ。
バランスを崩し雪の上にこけつつも、なんとかスキー板を脱ぐことができました。
(コケた体勢でスキーを脱ぐのはかなり骨折れました。しかも焦っていたため・・・)
スキーを脱いだ人間には興味が無いみたいで、なんだ、ってかんじで皆行ってしまいました。
スキーを履きなおして馬達の好奇心を復活させたら嫌なので、スキー板を抱えて深い雪の中を歩いて戻りました。