2008年4月26日

バイバイカネちゃん


カネちゃんが天国に行った。
当日までカネちゃんはずっといい子のカネちゃんだった。
きっと後ろ脚の感覚が鈍い上に、体もとっても辛かったから、ずっと大人しかったのだと思う。
だけど、カネちゃんは家に遊びに来たときからずっと大人しかったのだ。
超凶悪な我が家のブチとは大違いで、人間には決して爪を立てなくて、爪を立てるのは、無理に取り押さえようとしたり、移動させようとすると、地面や絨毯に爪を立ててへばりつこうとするのだ。枝にしがみつく芋虫の吸盤脚みたいに。

さよならした当日の朝も、静かに窓の外を眺めていた。
カネちゃんは息が荒くなり始めてから、ブチの丸まって眠っているところに乗り掛かっていって一緒に寝ようとした。一人じゃ不安になったのかもしれない。
ブチはのっかってきたカネちゃんの毛づくろいをしてあげていた。
ずっと前からカネちゃんが朝ご飯を食べに来ると、ブチは「おはようございます。殿。」って感じでカネちゃんを歓迎し、朝食中のカネちゃんをうるさいくらいになめるのだった。
ブチがあまりカネちゃんを慕い、カネちゃんがその行為を気持ち良さそうに受け入れるから、私は♂同士の彼らを「ホモダチ」と呼んでいたくらいだ。

しんどいだけからかもしれないけど、最後の頃は闘病生活に妥協して、それを受け入れていたように見えた。
最後に本当に苦しくなり始めてからだって、見苦しさは無かった。
カネちゃんはハンサムに死んでいった。
本当は元気なままで家の子になって、コロコロに太って立派な猫になってほしかった。
悲しい結末ではあったけど、ブチと仲良し二人組の姿とか、かわいい寝姿とか見せてもらって、我が家族はカネちゃんのおかげで非常にほんわかした日々を送ることができたのだった。