2007年10月

クロアゲハの幼虫


自宅の仕事部屋の窓から小さなみかんの木が見える、8月〜9月にかけてクロアゲハがよくみかんの木を訪れて卵を産んでいた。
こどもの頃、庭でアゲハ蝶をよく見た記憶があるが、クロアゲハの記憶はない。
最近はアゲハ蝶は珍しくなって、見かけるのはほとんどクロアゲハばかりだ。
2ヶ月に渡る東京生活を終えて、実家にかえってきた時、みかんの木に鳥のフンのようなみずみずしい幼虫が何匹も見られたのは喜ばしいことだった。私は鳥のフン型幼虫の比較的大きなものを長男とし、「お兄ちゃん」と呼んで成長を見守ってみようと思った。みかんの葉をカジカジ音をたてて食べる「お兄ちゃん」がいつ緑の芋虫に変身するのか愉しみだった。

ところが2日後、「お兄ちゃん」がいたエリアをいくらさがしてもそれらしき幼虫を見つけることができなかった。あんなに張り切って食事をしていたものだから、鳥にでも見つかって食べられてしまったのだろうか。
名付けてからわずか2日後の別れであった。

翌日、もしや長男が生き残っておりはしないかと探しに行ってかなり驚かされた。
鳥フン型の「長男」どころか、大きく丸まると太った緑の終齢幼虫がみかんの木の幹に5匹も6匹もいるではないか。
いったい彼等は今までどこに潜んでいたのだろう。
それらの幼虫を手近に落ちていた枝でチョンチョンとつくと、例のやつを「ブイ」と出した。
中には何度か刺激しても「ブイ」を出さないものもいるし、ちょっと軽く触れただけでも「V! V! 」
と反応する威勢の良いものもいる。
従来、芋虫は私の苦手な生き物のひとつで、この年になるまで素手で触ったことがなかったのだが、ここは勇気を出して、「ブイ」を出さないおっとりさんを触ってみた。
ちょっとフワリとしていて滑らかな手触りで、表面からはほんのりと温もりを感じた。
あれ?と思ってみかんの葉を触ってみたらひんやり冷たくて、やはり幼虫が体温を持っているようだった。
芋虫にも体温があるんだなぁとちょっと驚いた。

 

そんなにたくさんいた大きな幼虫たちも、別の場所で蛹になっているのかどうなのか、数日後にはみかんの木から姿を消してしまった。
いったい、こんなに平和そうな環境で、どんな敵にやられるというのだろう。

ある日現行犯発見。
犯人の一人は意外なやつだった。

カエルさん丸飲み中


鳥が見つけたら「ラッキー♪」
「アマガエルのイモムシ詰め」