2007年9月

身を守る必殺技


我が家の猫のブチと、犬のアーニーは仲良しだ。
というのは嘘で、お互いどうでもいい奴だと思っている。
だけど、犬にとっては、動きの緩慢な猫はどうでもよく、
敏捷に動こうとする猫は格好のおもちゃとなってしまう。
アーニーが屋内に入るときは、野蛮なアーニーの猛烈なアプローチを避けるべく
猫は屋外に避難する。
だけど、つい脱出しそびれて、犬と鉢合わせしてしまうことがある。
猫を見つけた瞬間、もう猫の上に覆いかぶさっている犬。


最初は「マズい!」と焦った。(犬が猫に危害を加えるのも、猫が犬に危害を加えるのも困るから)
だが猫は犬に鋭い爪をお見舞いするどころか、腹を見せて固まっている。
厳密に言うとクニャリと固まっている。クニャクニャと柔らかいままだけど身動きを取らない。
これはこの猫の必殺技なのだった。
ウチの猫は外出自由のオス猫なのに、めったに怪我をしてこないのだ。
いつだったかも近所の番長のオス猫に組み伏せられているのを見たことがある。
ウンともスンとも言わず、番長の腹の下でやっぱりクニャリと固まっていた。
番長も、敵がクタクタの人形のようでは相手にできない。
猫が喧嘩で負う怪我は、必死で敵から逃げようと暴れるときに負う物なのかもしれない。
今のところ、ウチの猫はこの必殺技でかなり身を守れているようだ。