2006年10月

術後1年と半年


術後1年と半年が過ぎた、主治医の話によると2年くらいたてば再発の可能性からは免れるらしい。
2年を過ぎたら、今まで1月ごとだった受診が半年に一度とかになるのだろうか?
手術後必死になって病気について調べたとき、1年たてば転移やその他のことから大方解放されると思い込んでいたけど、病気への警戒心と不安はずっと付きまとう。舌だけではなくて、体中どこもかしこも敏感になってしまう。健康だったときは全く気にならなかった微妙な臓器の感触を感じてしまうのだ。なんでもない突っ張りや、ほんのちょっとの痛みにヒヤリとさせられる。病気を経験する前の自分が聞いたら、馬鹿な話だと思ってあきれるだろう。

半年ごとに撮ることになっているMRIとCTを撮り、首のリンパ節にも胸にも特に変化は認められず、安心することができた。
入院中から退院後しばらくは家にじっとしていたこともあって、手紙をたくさん書いて知人に送っていた。その手紙の下書きがノートの裏に残っていて、それを読んで驚いた。こんな内容の手紙を皆に送りつけていたかと思うと恥ずかしかった。いや、この手の内容を全員には送っていないはず。だけど、似た傾向の事は書いているだろう、、、、。
生ぬるい人生経験しか積んでいなかった私にはいきなりの大事で、周りがまったく見えなくなっていた。
悲観的だったのはわかるが、とにかく自分が書いたものではないように思えるくらい、ヘンテコな内容だったのだ。
家族や周りの人の援助に支えられて、私は徐々に物事を普通に受け取ることができるようになり、気楽に笑えるようになった。
又何らかの大事件が起こったら、自分はたちまち日常から孤立してしまうのだろうか。
できるだけ平常心を保ち、前回よりは視野を広く保っていられたらなぁと願うのだけど、
無理かもしれないなぁ、と経験したからこそ思うのだ。