2006年6月10日

ホタルブクロ


昨年のこの時期にボタニカルアートの教室に通っていた私は、母に薦められた花を庭から切って、教室で写生していました。
写生した花のなかで印象深かったのがホタルブクロでした。
どこにでも咲いている花でしたが、私はそんな花が今まで庭に咲いていたことはもちろん、存在することすら知りませんでした。つくづく花に無関心な人生を送ってきてしまいました。
どこにでも咲いている野の花なのに、教室に持っていって剣山にまっすぐに刺してみると、凛とした美しい姿に驚きました。うつむいた花のかたちも色も「一見控え目」だけど、いえいえ、その存在感といいましたら。控えめな色の着物を着たすごい美人のようだと思いました。
凛々しく思慮深そうなホタルブクロと比べると、他の生徒さんが持ってきた同属の園芸種のカンパニュラが何も考えてない阿呆のように見えてしまいました。
ホタルブクロの名前の由来は子供がこの花に蛍を入れ、口を閉じて持ち運んだことによるそうです。
先日鎌倉方面にハイキングに行ったとき、見上げた崖の岩の割れ目という割れ目から、白いホタルブクロが花をつけていました。夜、もし蛍がこれらの花の中で薄い光をともしたとしたら・・・妖精の国の入り口のような光景が浮かびました。


昨年はほとんどが「ホタルブクロ」だったのに、
今年はすべて「ヤマホタルブクロ」に入れ替わっておりました。
個人的には「ホタルブクロ」の方が素敵だと思うけど、
ヤマホタルブクロの方が単純で描きやすかった。