2005年6月23日

怯える日々


再発と転移の恐怖。この不安から開放されるのに5年・・・・
煩わされる傷口に埋没してしまった糸を抜糸してもらってから、1週間、化膿もおさまって、やっとこのまま炎症がひいていってくれるだろうと思っていました。ところが10日も過ぎた頃から、また舌が腫れ始めました。舌が腫れ始めると、舌が前歯に当たってヒリヒリします。舌先が傷になるのを防ごうとして、舌をできるだけ反対側に寄せておこうと意識します。すると舌の筋肉が引きつって、首が凝るのです。首に起こるべき転移の徴を恐れる私にとって、大したことのない首の凝りは気持ちの悪いものです。
父の日のお祝いに家族で外に夕飯を食べに行きました。
出かけるちょっと前に、喉に違和感を感じました。痛みというほどのものではありませんが、ときどき、魚の骨がひっかかったような変な感じがするのです。
以前、頭頸部癌について調べようと、ネットサーフィンしていたときにある癌の方が最初の自覚症状として、魚の骨がひっかかったのかと思った方がいたことを思い出しました。舌癌が喉に転移するなんて聞いたことありません。しかし、舌以外の口腔粘膜に転移、または再発する例はあるとありました。
せっかくの外での食事なのに、食欲は一気になくなって(食欲がうせるなど絶対ありえない性格にもかかわらず)癌が今度は口の中に広がっているのだろうか、取ったはずの癌がどうして?
そんな不安を覚えるたびに、頭の中に並べた社会復帰への計画図をグシャグシャに丸めなければなりません。生きがいとは将来への希望。人は将来があるからこそ、生きる活力を維持できるのでしょう。なんだよそんねネチネチ怖がってるとよくなるもんもよくならないよって思われるかもしれません。だけど、こんな不安を話す相手がいないって、本当に溜まるんですよ〜。だからここでネチネチ書かせてもらいますよ。

こんな風に口内の違和感に悩まされた数日間でした。
そして前回から2週間後の外来の日。最近はあきらめというか、「よくなるのも、悪くなるのも、時間がかかる」という結論に至って、お医者様になんとかしてもらおうという気持ちが以前より弱まりました。
「医者が病気を治すのではなく、患者自身が直すのだ。」
そんな言葉がよ〜くわかります。
病気の成り行きは、自分まかせ、時間まかせ。
その結果は医者も知らない、私も知らない。私の細胞だけが知っている。
しかし、お医者様の大切な効能の一つには聞いていただくっていう、すごく大きなことがあるんです。
「舌が腫れてました。舌が腫れると首がつるんです。それと、歯茎も腫れるんです。」
そんなことを先生に喋るだけで、なんだかすっきりできるんです。
もちろん「そりゃたいへんだ。再手術ですよ。」なんて返されたらすっきりどころか、下痢しちゃいそうですが、たいていはそうですかといううなずきと、大丈夫ですよ。というミコトバ。運良くば、もっともらしい理由付けをもらえたりします。
患者のお友達とかいて、あそこが痛い、ここがしみる、ここが動かない、ここが変だ、そうだよね〜!
とか話せると救われるのになぁ。でも待てよ、患者仲間に「いや、私はそこは痛くないよ、しみないよ、動くよ、全然変じゃないよ」とか返された日にゃ、ずーん。ってガッカリするんでしょうけどね・・・・