2005年4月22日

ヘルニアの父同伴で。

ヘルニアの父って、ヘルニアの発明者とか、ヘルニアの大家のことではなく、私の父のことである。
セカンドオピニオンの受診を控えた前日に父がヘルニアを起こしてしまった。急性の腰痛で、動きがままならないらしい。父まで病気になったら、今度は病人を二人もかかえた母が参ってしまいそうだ。セカンドオピニオンを聞きにいく大学病院は自宅から車で40分ほどかかるところにあり、ペーパードライバーの私一人で行くのは自信がない、電車で行くことを覚悟していた。
翌日 父の腰痛は悪化はしていなかったが、よくもなっていなかった。一番ひどかったときは翌日起き上がるのもできないほど悪化したそうだ。父は同伴してくれると言う。本当に大丈夫かと思うが、父親として他の先生の意見を聞いて見たいということもあったろう。車に乗るのもたいへんな父に助手席に乗ってもらい、大学病院まで行った。

大学病院に到着後慎重に車から降りる大仕事をやってのける父は私に「お前は先に行ってろ。」と言う。どっちが病院に受診に来たのかこれではあべこべだ。こんなヨレヨレの親をひっぱって病院にかかりに来ている自分が情けなかった。この年齢になって何ひとつ一人で満足にできない。
受付してから待つこと2時間、先生の説明を聞くことができた。その2時間の間、父は椅子にゆっくり座っていることもできず、ほとんど立ったまま病室の前の長いすで待つ私の様子を遠くで伺っていた。
本当はこんな父のためにも、危険なことはしてはいけない。何よりも命の安全を優先させなければいけないのが私の使命なのかもしれない。しかし、親が永遠に私の人生に付き添ってくれるわけはない。追加手術をすることで弱い体になってしまったら、ひとりで生きていくのはたいへんかもしれないという恐れもある。