2005年4月8日

が〜ん!再来。

舌は日ごとに回復して、今では時間はかかるものの、ほとんどの食べ物は食べることができるように思う。傷口の炎症が治まって腫れが引いたところ、切り取られた部分がグロテスクに見え始め、完治したらいったいどんな風になるのだろうと、ちょっと不安になる。それでもこの傷だけで癌とおさらばできるのであれば、安い代償だったと思えた。あと数日で退院できるかもしれないと、浮かれていたときに、先日受けたPET検査の結果がでた。
ちょうど母が見舞いに来ているときに、病室にめったに来ない担当医の先生が入ってきた。
あPETの結果がでたんですけど、今日は何時までいらっしゃいますか?
夜の7時半くらいなら、先生も両親も都合がいいであろうと、時間が決まる。
すぐに出て行ってしまう先生。
結果について何も言っていかなかった。
よい結果だったら、何か言ってくれるはずだ。
病歴は短くとも、病院での宣告パターンはもう読めていた。
結果が良くなかったんだ。
気持ちがまたあの舌癌を宣告されたときに逆戻りした。
PETで調べたのはリンパ節への転移だから、今度は肺とかその他の臓器や骨まで心配する必要はない。だけど、万が一何か予想だにしていなかった結果がでてしまっていたら。
どんどん不安が渦巻いていく。
舌が良くなるにしたがって、希望が一杯になっていた。これから数年、癌を無視した生活はできないけど、何か新しい生き方を見つけよう。仕事を見つけて、自立できるようにならなければと。
そんな先走っていた自分が悪かったのか。
夜、家族と一緒に検査結果を聞いた。
PET検査をした病院の分析では「リンパ節転移」とのこと。
しかし、先生の話によれば数値が微妙なところで、検査した病院ではどこか基準を決めなくてはならないから、その基準数値からみると、転移と評価される。だけど、この数値だと手術をして、除去したリンパ節を検査した結果、癌が見つからないこともあり得ると話してくれた。
なんでもない手術なら迷わない。疑わしいなら取ってくださいとすぐお願いしたい。
しかし、首のリンパ節付近は様々な神経が入り組んでおり、神経を傷つける可能性がある手術。
一番の可能性として左側の口の筋肉の麻痺をあげられた。10〜20%の確立で起こりうるそうだ。口角の神経の麻痺のことなんて舌癌サイトにも書いてなかった。確立は低いが、左側の腕が上げにくくなるとか、舌が動きにくくなる、味がわかりにくくなる。他にもあげたら切がないそうだ。
あとは傷跡、リンパ節はリンパ節が埋まっている脂肪層ごと取るそうで、傷口を目立たないように切るというのは難しく、手術跡がかなり陥没するとのこと。
聞けば聞くほど、手術が怖くなる。
口が麻痺するなんて、まともに笑えなくなるなんて、きっと自分は一生結婚できない。
手術日は舌の手術のときに予定していた13日がそのまま予定されている。
そんなすぐには決めることができない。
癌だとしたら、PET検査でしか確かめられなかったようなまだ小さな癌だ。
そんなに早急に措置しなくても、考える時間くらいは取れる。
いや、早期発見が癌治療にとってどんなに重要か。しかも私は30歳、は癌の成長力は著しいに違いない。
今はどうすべきか、迷うしかできない。
もっと知らなければ、自分の病気のことも、それを治す方法も。